インボイス制度と電気料金がどう関係してくるのでしょうか?
インボイス制度は、消費税に関係してくるものですね。税率が変わる訳ではありません。でも、その仕組みを見ていくと、電気料金が上昇する流れになってしまいそうです。
インボイス制度とは?
2023(令和5)年10月から開始されます。
「インボイス(適格請求書)」とは、販売先に対し、税率と税額を正確に伝えるために、従来の区分記載請求書に必要事項を追記した請求書のことです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
インボイス制度導入後は、消費税を納付する際に、基本的に仕入先等が発行するインボイスがないと仕入税額控除が受けられなくなります。
再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度
「再生可能エネルギー」とは、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといった、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できるものを言います。
エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源として積極的に推進されています。
FIT制度・FIP制度とは?
FIT(Feed-in Tariff)とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことです。
再生可能エネルギーの普及を目標に、事業者や個人が再生可能エネルギーで発電した電力を、一定の期間一定の価格で電力会社が買い取ることを国が約束した制度です。
FIP(Feed-in-Premium)制度とは、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及支援を目的とした政策の一つです。買い取り価格にプレミアムが付加されるということです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度により、毎年1年間の買取価格等が決められます。
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によって電力会社等が買取りに要した費用を、電気のご使用量に応じて、電気料金の一部として、電気を使用者が負担するという制度です。
2023年度は、この制度が始まって以来初めて、再エネ賦課金が下げられました。
インボイス制度により電気料金が上昇する?
再生可能エネルギーを電力会社等が買い取りするにあたり、消費税が発生してきます。
ここで、問題になってくるのが、免税事業者や消費者などの適格請求書発⾏事業者以外から⾏った課税仕⼊れ(買い取り)です。
買取価格に関しては、経済産業省資源エネルギー庁も以下の通り明記しています。
※消費税を申告・納付していない方(免税事業者)は、インボイス制度に関する対応は不要です。インボイスの登録がなくとも、現行の買取価格が変更されることはありません。
仕入で支払った分の消費税を控除できないことになってしまいますが、買い取り(仕入)はしなくてはならない。
その対応として、経済産業省資源エネルギー庁では、「インボイス制度の導⼊に伴うFIT制度運⽤上の対応について」を2023年2⽉9⽇に公表しています。
対応方針(案)として、
“インボイス制度導⼊後に買取義務者に⽣じる新たな消費税負担に関して、来年度については、FIT制度において⼿当することとしてはどうか。”
となしています。
要するに、来年度2024年度からは、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)をこの分上げるという案が出ています。
結果、使用量×(電力量料金+燃料費調整単価+再エネ賦課金)ですので、電力料金上昇の要因となりえます。
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