事業を始めて見ると
まずは売上(販路)の確保が第一の課題となります。
少しでも売上額を増やしたい。
とは言え、大事なことは売上を増やすことだけではありませんね。
売上が多くても利益が出なくては事業は継続できません。
また、売上が回収できなくては売上が上がらないだけでなく
無駄な経費や労力が発生します。
創業当社は実績作りも重要
商売を始めたばかりの時は、
利益度外視で実績を積むためにということもあるかもしれません。
ただ、資金が限られている小規模事業者・個人事業主の場合は
ここは良く考えておく必要があります。
自分の人件費だけ負担するのであればまだ良いのですが、
変動費を下回るのは違うと思います。
サプリメント等の販売の場合、
まずは試して貰うことが非常に大切で有効になります。
これは、リピーターとなっていってもらうための戦術でもあります。
LTV(顧客生涯価値)というものです。
顧客から生涯にわたって得られる利益のことです。
1回の取引で得られる利益だけで考えるのではなく、
2回目以降の継続した取引で得られる利益も含めて
考慮するというものです。
このような戦略にもとづいてであれば良いのですが、
やみくもに新規顧客獲得だけを考えて動くと
後で大変になります。
その料金が当たり前ということにもなりかねません。
お金を回収までが一区切り
現金販売であれば、
売上=現金(キャッシュ)となります。
ところが、商習慣としてある
掛け売りというものが存在します。
売り上げた時は伝票処理だけ行い、
請求書を発行し、決められた期日に入金してもらう
というものです。
この場合、決められた期日に約束通り入金されて
初めてこの取引は完結となります。
請求書で掛け売りにする場合以外に
クレジット決済・キャッシュレス決済も
掛け売りとなりますね。
売上が上がって喜ぶのはまだ早い。
確実に回収できてはじめて完結。
振込手数料はどっちが負担する?
掛け売りの場合、後日入金の確認をするという手間も発生します。
金融機関の振込を利用する場合、通常振込手数料が掛かります。
振込手数料とは、銀行などの金融機関でお金を振り込む際に発生する手数料です。手数料は金融機関や金額で異なります。負担は、以下の2パターンのどちらか。◆先方負担
代金を受け取る側(請求書の発行者)が振込手数料を負担。振込の際は請求書の金額を振込みますが、手数料分を差し引いて送金されます。◆当方負担
代金を支払う側(請求書の受領者)が振込手数料を負担します。請求額+振込手数料の金額を振込みます。
これをどちらが負担すべきか?
振込手数料は、1件当たり数百円です。
でも、件数が増えてくればそれなりの金額になります。
また、仮に売上が10,000円とし、振込手数料が880円とすると
8.8%となります。
果たして、元の売上利益率は何パーセントでしょうか?
仮に売上利益率が30%とすると、30-8.8=21.2%になってしまいますね。
原則は、 民法上で「持参債務の原則」というものがあり
支払者負担ですが、取引上の契約があればその内容通りとなります。
何も記載せずに請求した場合は、
支払い側の基準で処理されてしまうことになりますので、
見積書作成時点から、「振込手数料はお客様の負担でお願いします。」
等を記載しておくことをお勧めします。
明記してあっても引いてくるケースも!
トラブルの元ですね。
現金の場合も、売上代金50,000円(税抜き)以上の場合、
収入印紙の貼り付け(税金支払い)が必要にとなってきます。
最近増えてきたクレジット決済・キャッシュレス決済の場合、
決済手数料というものが数%掛かってきます。
売掛金未回収の対応
売掛金の場合、
双方の信頼を元に実施することになります。
ところが、
特別な事情というのはどこにも存在します。
約束通りにお金の回収が入ってこないということが多々あります。
経理上は、貸倒引当金というものがあります。
取引先の倒産等により債権(売掛金等)が
回収できなくなることをあらかじめ想定して計上しておくものです。
ただし、これは小さな会社ではなかなかできないことですね。
貸倒引当金は損金になるって言っても
利益が出ていないとメリットなし
自転車操業であれば、
回収したお金を元に仕入等の資金にする訳ですから
次のための資金が無くなってしまいます。
仕入れられなければ売上も当然無くなります。
回収で苦労している会社を多く見てきました。
初めから無条件に掛け売りにするのは非常に危険です。
できれば現金決済が一番確実に回収できます。
次は、決済手数料が掛かりますがクレジット・キャッシュレス決済は
回収は気にしなくても良いという利点があります。
決済手数料もコストとしてしっかり計算する必要があります。
支払・回収サイト
また、支払・回収サイト(いつ入金されるか)も
非常に大切になります。
「月末締め翌月末払い」
という条件で掛け売りしたとします。
では、仕入れなどの支払いの資金は?
月末払いとすると、月末に振込みすれば良いのでしょうか?
先ほども出た「持参債務の原則」です。
契約上の取り決めがある場合や特別物を引き渡す場合を除き、
債務者は債権者の住所で弁済をしなければならない。
支払い側は代金を受ける側の住所(振込の場合、振込口座)で
代金の支払いをするとなります。
お金が入金されるより前に、
振込みをしなければならない。
こういう状態になりかねません。
こうなると掛け売りしたものは、
売上にはなりますが、キャッシュ(資金)になるまでの
期間が掛かることになります。
仕入れなど資金が必要になる訳ですから、
このサイトは非常に重要になります。
掛け売りが多ければそのリスクも増えるということですね。
黒字倒産
売上があり利益も出てもキャッシュが無い😢
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