通常の生活の中で、いろいろと結露することがあると思います。
・メガネ、サングラスをして寒い屋外から暖かい室内に入ったときのレンズ
・寒い日に自動車に乗っていて、室内が暖かくなってきたときのクルマのガラス
・シャワーを浴びた後の浴室内の天井
・夏場、冷蔵庫から取り出した冷えた飲み物の容器
・夏場、エアコンを冷房運転していたときの室内機内部
曇った状態になるレベルから、水滴になって落ちてくるレベルまでありますが、これらは結露したと言って良いと思います。
そして、住宅や店舗・工場等の窓ガラス
冬場に、結露が発生し、そのままにしていませんか?
エアコン室内機内部の結露を想像してみてください。
カビ・サビの発生原因となってしまいますね。
また、電気系統の不具合の発生を引き起こしてしまうかもしれません。
予防・対策する上で、まずは何故この結露が発生するのか?その仕組みを理解しておくと良いと思います。
結露はどういうときに発生するのか?何故?
結露が発生したときのことを思い浮かべると、
まずは、温度が関係していることが分かると思います。
冷たい状態から暖かい状態への変化したときに発生していますね。
あとは、結露というと水滴というイメージがあると思いますが、空気中に含まれる水分が当然に関連してきます。そう、湿度です!
この温度と湿度が関係してきます。
相対湿度と絶対湿度
一般的に、今日の湿度は?と言う場合は、相対湿度(%)が示されます。
空気中に含まれる水蒸気の量の割合のことです。
ところがここで注意が必要になります。
気温20℃の(相対)湿度50%は、気温10℃の(相対)湿度50%と同じ水蒸気の量か?
答えは、✖です。
ここで出てくるのが、(重量)絶対湿度(kg/kg)です。
単位が違うのが分かると思いますが、こちらは、空気中に含まれる水蒸気量です。
因みに、(容量)絶対湿度(g/m3)もありますが、今回は重量の方で説明を進めます。
絶対湿度は、水蒸気量。
相対湿度は、水蒸気量の割合。
この違いがあります。
温度が高い方が、空気中に含まれる水蒸気量が増加します。
そのため、同じ(相対)湿度50%でも、温度が高い方が水蒸気量は多いということになります。
換算式もありますが、ここでは省略させてもらいます。
これを分かりやすくしたものが、空気線図というものがあります。
X軸に温度、Y軸に絶対湿度としたときに、同じ相対湿度(%)を示している値を線で描いています。
従って、曲線が相対湿度を示します。同じ線が同じ湿度ということです。
同じ湿度50%でも、温度によってかなり絶対湿度(水分量)が異なっているのが分かると思います。
空気中に含みきれなくなった水分=結露
図で説明します。
窓ガラスの結露は、冬場に発生することが多いことから、
室温18~25℃、湿度40~50%程度が理想としているためここら辺の数値で見てみます。
1⃣では、温度20℃湿度50%の場合と、温度約9℃湿度100%の場合の水分量が同じということを示しています。
2⃣では、温度20℃湿度40%の場合は、温度約6℃と湿度100%の場合の水分量が同じということを示しています。
図の説明では、室温と室外温度としていますが、これが窓ガラスの室内と室外と考えてみてください。
1⃣で説明します。
エアコン等で室内の温度は20℃湿度50%だった場合、室外温度が9℃を下回っている場合、そのガラス面で室内の空気が急速に冷やされてしまいます。
その場合、冷やされた空気内の水分が空気に含むことができない(100%超える)ため、それが水滴となってきます。これが結露です。
2⃣は、同じ室内温度20℃ですが、湿度が40%ですので、1⃣に比べ、もう少し低い温度6℃がその境目となります。
結露発生の要因として、温度と湿度が鍵ということになります。
もう一つ、大事な要素があります。
乾燥している砂漠では結露は発生しないか?
ちょっと閑話
砂漠というと、乾燥しているというイメージがあると思います。
砂漠で、冷えた缶ジュースを出した場合、缶の周りは結露するのでしょうか?
砂漠の平均湿度は、20~25%ということです。
ということは、空気中に水分はあるということ
十分結露する可能性はあるということが分かります。
ただ、結露は発生することはありますが、すぐに蒸発してしまうということのようです。
閑話休題
高気密高断熱化で、結露が発生しやすい環境となった?
まず、昔の木造住宅で見てみます。
断熱材が入っておらず断熱性能が劣り、気密性も隙間から風が入ってきてしまう建物です。
暖房器具周辺や、室内の上部は暖かい空気がありますが、窓・外壁に使づくにしたがって、冷えた空気になってきます。室内でも温度差が発生してしまいます。また、隙間風=通風があり空気が動いていました。
室内の温度変化は、分かりやすいように極端に図示していますが、こんなイメージだと捉えてください。
室内と室外の温度差が少なくなっていること、通風があることから、結露が発生しにくかったと言えます。
木造から、鉄筋コンクリート造が進んでくるとどうでしょうか。
木造に比べ、気密性と断熱性が向上してきました。
その結果、室内の温度変化が起きにくくなり、外気と室内温度の差が大きくなり、また、通風がなく空気が滞留してくるため、空気線図で説明した通りの結露発生条件に当てはまってしまいます。
しかも、室内を暖かくする工夫として、加湿器を使い、室内湿度を少し高めにしているケースも増え、結露はより発生しやすい条件となってしまいます。
結露の怖さ
朝起きると、窓ガラスがビショビショになっていた。
小さい水滴ですが、先にエアコン室内機内部を例に書かせて貰いましたが、カビやサビ発生の元になります。
電気系統がある箇所の場合、漏電の原因
木材や金属、畳等の腐食、壁や床等の内部の断熱材もカビてしまう可能性もあります。
結構やっかいだというのが分かります。
結露の予防・対策
結露発生にとって、温度・湿度・通風が大きな要因だということは分かりました。
まず、温度。
温度差を考える上では、断熱性能です。
壁や屋根・床は比較的考慮されていますが、問題は窓です。
窓の2重化等は間に空気層ができるため効果がありますね。
現在の住宅新築で多く使われるLow-eガラスは、ガラスは2重になっていますが、サッシ部分で結露が発生してしまう可能性があります。
次に湿度ですが、体感温度として同じ温度でも湿度を上げれば暖かく感じる
でも、湿度を上げると、空気線図の通り、結露発生の温度差が小さくなり、発生しやすくなってしまいます。
このバランスが難しいところですね。
肌や喉等への影響も考えると、ある程度の湿度は必要
やはり40~50%に維持するのが良さそうです。湿度計で見える化でしょうか。
最後に通風です。
これは、自動車のフロントガラス等でも分かると思います。
曇ってきてしまった場合、送風にして風を当てると解消されてきます。エアコンモードでするとより効果が出ます。窓を開けて、室内の湿度を下げるのも良いですが、なかなか現実的ではないですね。
オフィスビルやコンビニエンスストア等で、窓ガラスが結露しないのは、空調設備が整っているからと言えます。室内の温度・湿度調整だけでなく、通風させていることで結露も予防できています。
既設一般住宅、賃貸アパート、店舗、工場等では、なかなかこのためにリフォーム・設備追加をするのは費用面からしても難しいという場合があると思います。
一般住宅の2重窓化等のリフォームで補助金等を使えたとしても、そこそこの費用負担があります。
そこで、ご提案
窓ガラス遮熱断熱コーティング
結露を考える上で、窓ガラス対策が重要になります。
窓ガラスに遮熱断熱コーティングを行うことで、
夏の暑さ対策(遮熱)
冬の寒さ対策及び冷暖房効果向上対策(断熱)
紫外線対策(UVカット)
そして、結露の軽減効果があります。
完全に結露は無くすことはできませんが、我が家の浴室の窓ガラスでの実証実験では、すぐに水滴で垂れてきていたものが、垂れてこなくなりました。
本来、壁にするか窓にするかを考え、窓にしたのには理由があると思います。
窓本来の機能を、弱点を補って、快適空間にしませんか。
11月も下旬になってくると、SNS上でも「フロントガラス」がトレンドに上がってきたりします。
フロントガラスの内側の曇りと外側の霜対策ですね。
この窓ガラスコーティングは、残念ながら、自動車のフロントガラスには施工できません。
遮熱性を持たすため日射を遮蔽するしていますが、湾曲しているガラス面ではこのコーティングをすることで歪んで見えてしまう可能性があること等から対応不可となっています。
リフォーム等はある程度の規模で実施しますが、気になる箇所でまず試してみるということも、施工会社によっては可能だと思います。
気になる方は、此方☟をご参照ください。
https://i-mage.co.jp/window/ 現在、コーティング剤を変えてお試し施工しやすくなっています。
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