原油価格が高騰しています。
一般市民の我々には、原油価格と言うより自動車の給油に行くと、そのガソリン価格により燃料費の上下を敏感に感じることができます。
日本政府は、石油の国家備蓄のうち国内消費量の数日分を放出することを決めました。
原油価格の抑制を図ることを目的としています。
さて、毎日使用するものとして、電気・ガス・水道・電話などがありますが、その料金体系や計算方法はどうなっているのでしょうか?
今回は、電気料金の基本的な計算方法についてです。
公共的なものの料金体系(基本料金・従量料金)
公共的なものである、電気・ガス・水道・電話などは、
設備や基本的な使用枠によって決まる基本料金と毎月の使用量によって決まる従量料金と2つの料金に別れています。
ライフラインと言われるこれらのものは、その重要性は言うまでもなく、災害発生時にも第一優先でその復旧が行われます。その設備は想像絶するほどの費用がかかりますので、各家庭・事業所に於いて、使用する枠等に応じて決められる基本料金というものがあります。
基本料金は、どちらかと言うと設備に対してということなので、契約によってほぼ一律となっており、毎月変動とはならないと思います。
一方、従量料金は、使用量に応じて変動するものです。
水道や電話の場合は、燃料の変動により変わることはありませんが、電気・ガスの場合は、燃料費によって変動してきます。
毎月、同じくらいの使用量だとすると、水道・電話は変動ありませんが、電気・ガスは変動してきます。
電気料金~基本料金~
基本料金は、毎月使用するであろう量を契約で定め決定します。
家庭であれば、ブレーカーの容量がそれに当たります。
ブレーカーがよく落ちる場合は、容量不足が考えられます。
(漏電など不具合の場合もありますが)
容量(A:アンペア)を大きくすると、それだけ使用する量を多くするという考え方ですので、基本料金が高くなります。
事業所の場合、
低圧契約であれば、使用する機器の容量の総和で契約したり、家庭用のアンペア数のように、使用する量を決めて契約することがあります。
高圧契約であれば、デマンド値と言われる、30分間毎の最大使用消費電力により、その最大デマンド値以降1年間その枠が基本料金になります。
デマンド値を上げてしまうと、1年間の基本料金が上がってしまいますので、各事業所はこのデマンド値に非常に敏感になりますね。ただ、一瞬ではなく30分ですので、夏場はエアコンの使用を運用で抑制するなどして我慢の運用をすることも見受けられます。
現在の使用する機器が変動したり、毎月の使用量が変わったりした場合は、契約の見直しにより基本料金を変更することができます。
こういう変化が無い場合も、料金プランの見直しで変化することもありますね。
毎月変動するものではありませんが、設備や使用で変化がある場合は見直し必須です。
同一の契約で同一の使用であれば、契約会社の契約料金の改定がなければ一定となります。
電気料金~電力量料金~
電力量料金
電力量料金は、契約によって決められた電力量料金単価にその使用量を乗じて計算されます。
料金プランの見直し、 同一の契約で同一の使用であれば、契約会社の契約料金の改定がなければ一定となります。
燃料費調整額
電気料金変動の最大要因です!
ガソリン代が上下するのと同じ感覚です。
ただ、この変動は、日々変動するガソリン代とは少し異なります。
また、地域差(契約電力会社等)によっても異なります。
電気をつくるために必要な燃料(原油・LNG(液化天然ガス)・石炭)の価格は、市場や為替などの外部要因により変動します。
燃料費調整制度により、これらの価格変動に応じて電気料金が調整される仕組みとなっています。
この燃料費調整は、電力会社の電源構成(どういう発電を行っているか)によって変わってきます。
発電に使用する燃料によって、その費用が異なりますので、その調整差があります。
中部電力と沖縄電力の2社の電源構成を見てみます。
中部電力の電源構成は、LNG火力が54%と圧倒的に多く、次いで石炭火力15%となっています。(2020年度実績中部電力HPより)
沖縄電力の電源構成は、石炭火力が67%と圧倒的に多く、次いでLNG火力が22%となっています。石油火力を含めると、火力発電が全体の95%となっています。(2020年度実績沖縄電力より)
この2社を比較しても、主な燃料が異なることが分かります。また、沖縄電力は火力発電が殆どだということも分かります。
燃料費調整の単価は、
その変動差が激しくならない仕組みとなっています。
平均燃料価格の算定期間(3か月間)による平均で決められます。
例えば、12月に適用する燃料費調整は、
7月から9月の3カ月間の平均で計算され、適用されます。
少し、適用まで余裕があるのが分かります。
そのため、高くなる場合、事前に抑制する手段を検討することも可能かもしれません。
燃料費調整単価は、毎月月末に公表されます。
月末に2か月後に適用する燃料費調整単価が公表されることになります。
電気料金~再生可能エネルギー発電促進賦課金~
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、読んで字のごとくです。
再生可能エネルギー、例えば太陽光などの自然エネルギーの発電を促進するためのもので、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によって電力会社等が買取りに要した費用を負担するものです。
電気の使用量に応じて、電気料金の一部として、電気を使用する者が負担します。
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は、毎年度、経済産業大臣によって定められ、毎年5月分から翌年の4月分の電気料金に適用となります。
そのため、一年に一度改定となります。
現在は、年々増加しています。
電気料金を抑制するために
電気料金は、大きく基本料金と従量料金になっています。
大きく設備や使用量が変動する場合は、契約の見直しは必須です。
所謂、料金プランの見直しです。
契約加入から何年も見直しをしていない場合は、一度見直しをしてみるのも良いと思います。色々なプランが出ていますが、まずは今使用している会社のシミュレーションだけでもやると良いと思います。
もう一つは、使用量の抑制です。
省エネルギー・節電というところになります。
省エネタイプの機器への買い替えや我慢してということではなく、無駄に使用しているところはないでしょうか?
例えば、使用してないのにコンセントを差し込んだまま ☜待機電力として通電しています。
エアコン等は、フィルター掃除をしていないとそれだけ機器に負荷がかかり電気使用量を増すことになります。電気製品を効率よく長持ちさせるためには、メンテナンスは必須です。
のこぎりや包丁が切れなくなると、研ぐことで新品同様の切れ味になると思います。これもメンテナンスです。メンテナンスをしないとどうでしょうか?
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