医療費の高額医療費制度は、学校などで教わることはないと思いますが、知識として知っている方は多いと思います。
高額な医療費を支払ったときは高額療養費で払い戻しが受けられるという制度です。
高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、
一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
この「あとで」払い戻されるとなっていますが、実際には事前に申請することで、病院窓口で医療費の支払いを自己負担額限度額までとすることが可能です。
そのため、上記説明文は正確な説明とは言えず、勘違いしてしまう方も多いと思います。
高額医療費制度を使うために
まず、大前提として、健康保険に加入し、健康保険での入院をしていることが必要になります。
健康保険に加入していない場合や、保険料を特別な理由もなく滞納している場合
健康保険を使った、外来・入院でない場合(例えば、交通事故で被害を受けた場合)
高額医療制度を利用するには
1.自分の自己負担限度額を確認
年齢(70歳未満、70歳以上75歳未満、75歳以上)と、標準報酬月額による所得区分によって自己負担限度額が変わってきますので、自分の自己負担限度額を確認します。
※標準報酬月額とは、4月・5月・6月に受けた報酬の平均額を1~50の等級(厚生年金は1~32)に分けて表すもの
2.支払い額が、自己負担限度額を超えているか確認
差額ベッド費用や食事代など、医療費以外で自己負担するものは除外です。
3.申請書提出
必要事項を記入のうえ、必要書類を添えて加入している公的医療保険に申請
4.自己負担限度額を超えた分が払い戻される
前述の説明文通り、「あとで」払い戻される場合です。
この場合、仮に入院の医療費総額90万円、3割負担の場合、27万円を退院時に窓口で支払う必要があります。
窓口での支払いが軽減される手続き
事前に、自己負担限度額を超えるのが分かっている場合は、事前手続きをすることで、退院時に窓口での支払いは、自己負担限度額+差額ベッド費用+食事代などに抑えることが可能です。
病院では、限度額適用認定証等情報をオンラインで確認することが可能です。
ただ、確認することを事前に同意する必要があります。
同意しない場合は、事後申請となります。
入院費の高額医療費で損をしそうになったケース
さて、当記事の本題です。
限度額適用認定等情報のオンライン確認を受け、自己負担額を確認して貰い、窓口で支払いが軽減でき、良かった良かった!
でも、計算は一般の人では分からないし、医療機関で間違う筈もないので、そのまま支払って終了!
これ、本当に損をする可能性があります。
人が操作する以上間違いがあり得ます。また、システム上、整合性が取れていない可能性もあります。
これは、私が経験した話です。
高額医療費制度とは違いますが、自己負担の医療費が違ったケースです。人為的ミスです。
詳しい治療費は事前説明がないかも知れませんが、手術費等は大体の金額を事前に教えて貰える場合もありますので、要チェックです。
医療費のお知らせをチェックした方が良い理由|確定申告をしない人も要チェック
さて、次は高額医療費制度のケースです。
友達に聞いたとかいうレベルでなく、実際に相談を受け、だったらすぐ確認をと目の前で電話してもらった内容です。
病院での入院前のオンライン確認では、「自己負担額が57,600円です。」と言われ、実際に退院時の支払いでもその額が自己負担となりました。
ところが、その方は健康保険の被保険者ですが、住民税非課税でした。本来なら36,400円です。
でも、病院で確認してくれたので間違いないだろうということで納得しかけたところで、どうも違う気がすると相談があり、電話で加入健康保険の窓口に確認したところ、やはり36,400円ということでした。
システムでこの確認ができない云々言われたようです???
差額は、申請することで払い戻しがされるようですが、確認しなかったら、21,200円もの損でした。事前確認が正確でないとは言いませんが、自分の所得区分に合致するかどうかは確認した方が良さそうです。
このように被保険者が住民税非課税者の場合は、事前に限度額適用認定証を発行してもらうと、自己負担限度額も正確になるようです。少なくとも、被保険者が住民税非課税者の場合、今回のように病院で同意し確認をしてもらうと、実際より自己負担額が多くなってしまう可能性があります。
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